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第一部 統一思想 第七章 芸術論 : 四 芸術の統一性 : |
芸術には相対的な様々な契機がありますが、それらは互いに統一されていると見ます。第一に、「創作と鑑賞」が統一されています。普通、創作は芸術家が行い、鑑賞は一般の人たちが行うというふうに、分離して考えられてきました。しかし「統一思想」から見るとき、両者は主管活動の二種類の契機にすぎないのです。芸術家は創作をしながら自己の作品を鑑賞するのであり、鑑賞者も作品を鑑賞しながら創作を行うのです。鑑賞における創作とは、主観作用による付加創造をいいます。
第二に、「内容と形式」が統一されています。内容と形式は「統一原理」の性相と形状に相当し、性相と形状が不可分の統一を成しているように、内容と形式は統一を成しているのです。すなわち、作品の性相面である目的、動機、構想などと、その形状面である物理的条件が調和または統一を成しているのです。
第三に、「普遍相と個別相」が統一されています。大概、芸術家は独特な個性を作品の中に表していますが、同時に一定の流派または一定の地域的、時代的な共通性を表現しています。前者は個別性であり、後者は普遍性です。芸術家自身が普遍性と個別性を統一的にもっているために、その作品においても個別的な美と普遍的な美が統一的に現れるのです。
第四に、「永遠と瞬間」の側面も統一されています。すべての被造物は自同的四位基台と発展的四位基台の統一体なので、普遍と変化の統一を成しています。芸術作品においても、同様に永遠的な要素と瞬間的な要素が併行しながら統一を成しています。作品を鑑賞するとき、そのような「永遠の中の瞬間」または「瞬間の中の永遠」を感じながら鑑賞すれば、美は一層引き立つようになるのです。