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第一部 統一思想 第七章 芸術論 : 二 芸術と美 : (二) 美、および美の決定 |
美とは「対象が主体に与える情的な力であると同時に情的な刺激である」ということができます。美は真や善とともに価値の一つなので、表現を変えれば、美は「情的刺激として感じられる対象価値」なのです。
しかし、美は客観的に「ある」のではなく「感じられる」のです。対象の中にある要素が、主体に情的な刺激を与えて、それが美として感じられるのです。ところで、主体を情的に刺激する美の要素は、対象の創造目的と様々な物理的要素間の調和(時間的または空間的調和)です。すなわち絵画においては、線、形、色彩、空間など、音楽においては、音の高低、長短などの物理的諸要素が創造目的を中心によく調和しているとき、その目的を中心とした調和が主体に情的な刺激を与えれば、主体はそれを主観的に判断し、現実的な美として感じるようになるのです。
したがって美は価値追求欲をもった主体が、対象がもっている美の要素と授受作用するときに、現実的に決定されるのです。すなわち、対象からくる情的な刺激を主体が情的に、そして主観的に判断することによって、美が決定されるのです。