第一部 統一思想 第六章 倫理論 : 三 道徳・倫理と天道 : (二) 倫理と天道

 人間は宇宙の構成要素を総合した実体相であり、小宇宙であるために、そのような人間によって構成された家庭は、宇宙の秩序体系を縮小した小宇宙体系です。それゆえ家庭の規範や倫理は恣意的に立てられたものではなく、宇宙の法則に対応する必然的な道理なのです。
 宇宙に縦的秩序と横的秩序があるように、家庭にも縦的秩序と横的秩序があります。家庭において、祖父母、父母、子女、孫と受け継がれる関係は縦的秩序であり、夫婦の関係と兄弟姉妹間の関係は横的秩序です。そのように家庭倫理は宇宙の法則(理法)が縮小されて現れた天道なのです。そのような家庭の秩序に対応するのが、祖父母や父母の子女に対する慈愛、子女の父母や祖父母に対する孝誠、孝行などの縦的な徳目であり、夫婦の和愛、兄弟の友愛、姉妹の姉妹愛のような横的な徳目です。
 一方、このような家庭の徳目が学校、社会生活、国家に縦的に拡大されて適用されれば、指導と尊敬、愛護と服従、善政と忠誠などとして現れます。また家庭の徳目が横的に拡大されて適用されれば、和解、共同、奉仕などの社会的徳目として現れます。