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第一部 統一思想 第六章 倫理論 : 二 道徳と倫理 : |
道徳とは、個人として守らなければならない行為の規範です。すなわち個人生活における人間行為の規範であり、内的に個人の内面生活において、心情を中心とした授受作用の法則に従おうとする行為の規範であり、個体的四位基台を形成するときの規範です。したがって道徳は個性真理体としての規範であると同時に、第一祝福すなわち個性完成のための規範なのです。
一方、倫理とは、家庭において家庭の構成員が守らなければならない行為の規範です。すなわち家庭を基盤とした人間行為の規範であり、家庭において愛を中心とした授受作用に従おうとする人間行為の規範であり、家庭的四位基台を形成するときの規範です。したがって倫理は連体としての規範であると同時に、第二祝福すなわち家庭完成のための規範です。ゆえに道徳は主観的規範であるのに対して倫理は客観的規範です。
ところで倫理は家庭的四位基台の一定の位置から三対象の各々の位置に向かう愛の実践形態なので、そこには必ず位置の定立すなわち秩序が要求されます。秩序がないところには倫理は立てられません。しかし今日、父母と子女間の秩序、夫婦間の秩序、兄弟姉妹間の秩序が軽視または無視され、家庭の秩序が崩れようとしていますが、それが社会的秩序崩壊の主要な原因になっています。愛の秩序は性の秩序と密接な関係があります。すなわち、倫理は愛の秩序であると同時に性の秩序でもあります。したがって家庭を本然の姿に回復するためには、愛の秩序と性の秩序を確立しうる内容をもった倫理論が必要なのです。