第一部 統一思想 第四章 価値論 : 一 価値の意味 :

 「統一思想」では価値を「主体の欲望を充足する対象の性質」と定義しています。言い換えれば、一つの対象が一つの主体の欲望や願いを満たしてくれる性質をもつとき、主体が認めたり評価する対象の性質を価値といいます。すなわち、価値は主体が認める対象の価値であり、主体に認められない価値は現実的なものではありません。したがって価値を扱う際に、主体がもっている欲望を無視したまま、価値の客観的現象のみを扱うことはできないのです。
 人間が追求する価値には性相的価値と形状的価値があります。性相的価値は真美善に相当する精神的価値をいい、形状的価値は衣食住など生活資料の価値、すなわち物質的価値をいいます。