第一部 統一思想 第三章 本性論 : 三 格位的存在 : (一) 対象格位と対象意識

 対象格位は、対象として主体の主管を受ける立場、すなわち常に主体に美と喜びを返す位置をいいます。人間は神様の喜びの対象として創られたために、人間生活の第一次的な意義は神様を喜ばせることにあります。そのように人間は、まず対象の位置に立つように創造されたのであり、神様の代身者の位置にある存在に対しても対象格位に立つようになります。主体に対している対象の例を挙げると、神様の喜びの対象である人間、父母の愛の対象である子女、国家の主管を受ける国民、先生の教えを受ける生徒、職場の上司の指示を受ける部下、全体のために奉仕する個人などがあります。
 対象が主管を受けるのに必要な心的態度を対象意識といいます。例を挙げると、神様に対する対象意識は侍奉心、忠誠心であり、国家に対する対象意識は愛国心であり、父母に対する対象意識は孝行心であり、先生に対する対象意識は尊敬心であり、上司に対する対象意識は服従心であり、人類全体に対する対象意識は奉仕心です。それぞれの主体に対する対象の共通的な対象意識は、温柔、謙遜、そして「ために生きようとする心」です。