第一部 統一思想 第二章 存在論 : 三 存在様相 : (二) 円環運動の諸形態

 各被造物の創造目的、すなわち全体目的と個体目的を効果的に達成するために、実際に現れる円環運動の形態にはいくつかの類型があります。

 (1)基本的円環運動
 1. 空間的円環運動
 これは物理的、反復的な円環運動であって、天体と素粒子の自転運動および公転運動がその例です。すなわち原相内の自同的授受作用が空間性を帯びて現れたものなのです。
 2. 時間的円環運動
 これは生物(生命)のライフサイクル(life cycle)の反復と継代現象をいいます。このような円環運動は原相内の発展的授受作用が時間的、継起的性格を帯びて現れたものです。

 (2)変形した円環運動
 1. 固定性運動
 円環運動が一つの個体の創造目的を遂行するために固定化されたものです。あたかも人工衛星がその目的遂行のために、一定の位置に固定されているのと同じです(原子と生物体の各組織を構成している細胞も同様です)。
 2. 代替性運動
 血液やリンパ液、または養分が流通しながら、細胞の円環運動に代わっています。これを代替性円環運動あるいは代替性運動といいます(経済生活での商品や貨幣の流通もそうです)。
 3. 精神的円環運動
 人間において、生心と肉心の授受作用は物理的な円環運動ではなく、生心が望むままに肉心が呼応するという意味での精神的な円環運動です(家庭や社会における人間と人間の円満な授受作用もそうです)。