第一部 統一思想 第十一章 方法論 : 二 「統一方法論」から見た従来の方法論 : (九) カントの先験的方法

 カントは対象からくる混沌とした感性的内容が、主観(主体)がもっている先天的形式によって構成されることによって、認識が成立すると主張しました。人間主体(主観)と対象の相対関係によって認識が成立するという点では、「統一思想」も同じです。しかし「統一思想」から見れば、主体は形式(思惟形式)だけでなく、内容(原映像)も備えているのであり、対象(万物)から来るものも、混沌とした感性的内容ではなく、存在形式をもった内容です。カントの構成論に対して、「統一思想」は照合論を主張します。