第一部 統一思想 第十一章 方法論 : 二 「統一方法論」から見た従来の方法論 : (七) デカルトの方法的懐疑

 デカルトは一切のものの確実性を疑うことによって、「われ思う、ゆえにわれあり」という、それ以上疑うことのできない理性的な知識の確実性に到達しました。ここでデカルトが一切の事物と現象を疑い、方法的にそれらを否定して、ついに理性的真理の確実性に到達したということは、人間の純粋思惟の内面世界に到達したということです。そのような状況から見れば、「われ思う」というのは宇宙創造直前の神様の思惟、すなわち構想に相当するといえます。ともあれ「われ思う、ゆえにわれあり」という理性的な知識を「統一思想」の立場から見れば、人間の心の中でなされる内的授受作用を確実に認めたことを意味します。