第一部 統一思想 第十一章 方法論 : 二 「統一方法論」から見た従来の方法論 : (一) ヘラクレイトスの弁証法(運動法)

 ヘラクレイトスは宇宙の根源的な質料(原質、アルケー)を火であると見て、「万物は流転する」と主張し、変化、生成の側面を強調しました。それは被造世界における発展的な側面だけをとらえて、自己同一的な側面を軽視したか、見過したといえます。また彼は「闘争は万物の父である」といい、万物の発展の原因を対立物の闘争と見ましたが、万物は相対物の調和的な授受作用によって発展するというのが、「統一方法論」の立場です。