第一部 統一思想 第十章 論理学 : 一 「統一論理学」 : (二) 原相の論理構造

 (1)ロゴスの形成の構造
 すでに見てきたように、原相の論理構造とは「創造の二段構造」における内的四位基台(内的発展的四位基台)をいい、したがってロゴスの内部構造をいいます。すなわち、心情を基盤として、目的を実現するための内的授受作用によってロゴス(構造、理法)を形成する内的四位基台が、まさに原相の論理構造なのです。人間も原相のこのような論理構造に似て、愛の目的を実現するための内的四位基台を形成するようになりますが、そのとき愛を志向する思考がなされるようになります。したがって人間の思考は愛の実践のためであり、人間に自由が与えられているのも、愛の実践のためなのです。思考したり、自由を行使するとき、悪をなしたり人を憎むのはその乱用なのです。

 (2)創造の二段構造
 創造の二段構造は内的発展的四位基台と外的発展的四位基台の二段構造をいいます。ここで内的発展的四位基台が論理構造ですが、論理学において外的発展的四位基台は必要なのでしょうか。「統一思想」はそれが必要であると見るのです。なぜならば、「統一論理学」において思考は思考自体のためのものではなく、創造目的の実現を指向し、愛の実践を前提とするからなのです。
 したがって性相内部の論理構造は、思考自体だけのものではなく、外部の四位基台と関連をもつとき、初めてその意味があるのです。形式論理学では思考それ自体の形式や法則を扱いますが、「統一論理学」の立場から見れば、それは間違いでないとしても不十分なものなのです。一般的に「知行一致」や「理論と実践の統一」とよく言われるのは、その論理的根拠がこの創造の二段構造にあるからなのです。