第一部 統一思想 第九章 認識論 : 四 認識の方法 : (二) 四位基台の形成

 認識は目的を中心とした主体と対象の授受作用の結果として成立します。したがって認識のための授受作用において中心(目的)、主体、対象、結果の四つの要素または四つの位置が必ず立てられなければなりません。認識における第一の契機は授受作用の中心となる目的です。認識の目的には、被造物の存在目的である原理的な目的と、日常生活における各人の目的である現実的な目的があります。認識において第二の契機は主体ですが、主体が備えなければならない要件の一つは対象に対して関心をもつことであり、もう一つの要件は原型です。認識における第三の契機は対象ですが、それは万物(事物)をいいます。万物は認識の対象になることができる条件(要素)を備えなければなりません。それが内容としての事物の属性と、形式としての存在形式(関係形式)です。認識における第四の契機は結果、すなわち認識の結果です。
 認識は基本的に、主体の「内容と形式」と対象の「内容と形式」が授受作用を通じて照合されることに合性一体化していく過程です。創造は発展的四位基台の形成であり、「内的な四位基台から外的な四位基台へ」という順序ですが、認識は自同的四位基台の形成であり、「外的な四位基台から内的な四位基台へ」という順序に従ってなされます。