第一部 統一思想 第九章 認識論 : 二 認識の内容と形式 : (二) 原型の構成要素

 原型とは、人間の体を通じて認められた万物の物質的要件を判断する心的基準の要件、すなわち観念です。ところで万物の物質的要件にも内容と形式があるために、それに対応するためには、原型も内容と形式を備えていなければなりません。原型における内容を原映像または内容像といい、形式を関係像または形式像といいます。
 原映像とは、原型の内容の側面であって、意識の中に備えられている判断の基準となる映像をいいます。実際には、原映像は人体の構成要素である細胞や組織の属性が、細胞次元の意識に反映されてできる心的映像です。この心的映像である原映像は、物資的内容に対応する心的内容であって、性相的内容になるのです。したがって結局、人間の心的映像は万物の属性(内容)に対応するという結論になります。したがって内容の側面から見るとき、認識において主体である人間の心的内容(原映像)と、対象である万物の感性的内容(物質的属性)が互いに対応するよういなり、主体と対象の間に授受作用がなされることによって認識が成立します。
 一方、形式像とは、原型の形式の側面であって、意識内に備えられている判断の基準である思惟形式をいいます。実際には、形式像は細胞や組織の存在形式が細胞次元の意識に反映されてできる像であり、この形式像が思考作用に一定の制約を与える思惟形式になるのです。ところで、宇宙の縮小体であり万物の総合実体相である人間の体は、万物がもっている存在形式と同じ存在形式をもっています。しかし認識において、最終的な判断の基準は、人間の意識の中の形式である思惟形式でなければなりません。したがって形式の側面から見るとき、人間の体を通じて得られた万物(対象)の存在形式が、人間(主体)の意識の中に備えられている思惟形式と互いに対応して授受作用することによって、最終的に認識がなされるのです。