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第一部 統一思想 第一章 原相論 : 二 原相の構造 : (一) 授受作用と四位基台 |
(1)性相と形状の授受作用
性相と形状が相対関係を結んだのち、相対基準を造成するとき、「何かを与えて受ける現象」が起きますが、この現象を授受作用といいます。ここで相対関係とは、二つの要素や二つの個体が互いに向かい合った主体と対象の関係をいい、相対基準を造成するとは、共通目的を中心として相対関係を結ぶことをいいます。原相内部において相対関係を結ぶとき、性相が主体の立場となり、形状は対象の立場となります。
主体(性相)と対象(形状)が授受作用をなすためには、主体と対象の格位の差がなければなりません。位置上の格位が同格である場合には、授受作用がなされないからです。授受作用を行うとき、主体は「能動的」な位置にあり、対象は「受動的」な位置にあるようになります。これをさらに具体的に説明すると、主体が「中心的」であるとき対象は「依存的」であり、主体が「動的」であるときは対象は「静的」であり、主体が「積極的」であるときは対象は「消極的」であり、主体が「創造的」であるときは対象は「保守的」です。そして主体が「外向的」であるとき対象は「内向的」となります。一言で言えば、主体は「主管的」で対象は「被主管的」です。
また原相内の授受作用は円満性、調和性、円滑性をその特徴とします。そのため、授受作用には矛盾、対立、相衝のような現象はありえません。このように性相と形状の原理的な関係は、目的を中心とした相対関係であるために、調和的でなければならず、互いに衝突するようであってはなりません。なぜならば、二つの要素間に矛盾、対立が現れるのは、そこに心情や目的のような共通要素としての中心がないためです。そして、目的(中心)がない対立物の相衝作用によっては決して発展がなされることはないのです。発展は、目的を中心とした主体と対象、すなわち相対物の授受作用によってなされるのです。
(2)四位基台の形成
性相と形状の授受作用には中心と結果が伴うために授受作用に際して必ず中心、性相、形状、結果の四つの位置が立てられるようになります。このように四つの位置に基づいた性相と形状の授受関係を四位基台といいます。そのとき性相の立場は主体、形状の立場は対象です。したがって、四位基台は中心、主体、対象、結果の四つの位置に基づいた主体と対象の授受関係なのです。
主体と対象の授受作用には必ず一定の中心と一定の結果が伴います。授受作用の中心には心情、または心情に基づいて創造目的が立てられますが、心情が中心のとき、その結果は合性体または統一体となり、(創造)目的が中心のとき、その結果は新生体または繁殖体となります。被造世界において、合性体は万物の存在、生存、存続、統一、空間運動、現状維持などを意味し、新生体は新しく出現する結果物、すなわち新要素、新個体、新現象を意味します。そのような新生体の出現はすなわち発展を意味します。