第一部 統一思想 第八章 歴史論 : 一 「統一史観」の基本的立場 : (五) 歴史の始元と方向と目標

 「統一史観」は人間の創造と堕落を歴史の始元と見ます。また人類の始祖に関して、進化論や多元論の見解を否定し、アダム・エバから始まる一元的始祖論を主張します。なぜならば「創造は一から始まる」というのが創造の法則だからです。
 歴史の目標は創造理想世界の復帰であり、歴史の方向は必然的にその復帰の方向に進行するのです。したがって歴史の方向と目標の観点から統一史観を見れば、決定論の立場なのです。しかしその目標に到達する多くの過程は決定されていません。なぜならば神様の復帰摂理の過程において、人間(特に摂理的な中心人物)の責任分担が達成されるか否かによって、み旨の成就が左右されるからです。このように歴史の過程の観点から「統一思想」を見れば、非決定論の立場になります。歴史の目標は決定的ですが、その過程は非決定的であると見る、このような見解を「責任分担論」といいます。