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第一部 統一思想 第八章 歴史論 : 一 「統一史観」の基本的立場 : (四) 歴史の法則性 |
「天に順う者は存し、天に逆らう者は亡びる」という格言は、歴史の背後に、人の力ではどうすることもできない超越的なある法則が作用することを意味しています。そのように人類歴史の背後には、人倫に逆らうことのできない一定の歴史の法則が作用してきたのです。この歴史の法則が創造の法則と復帰の法則であり、この法則こそ、実際に歴史に作用した真なる法則なのです。二十世紀に入って、トインビーが立てた文明史観も、明確な歴史の法則を提示できず、弁証法を適用したヘーゲルの精神史観も、現実とかけ離れた歴史観となってしまいました。そしてヘーゲルの弁証法を唯物論と結びつけて打ち立てたマルクスの唯物史観も、似非法則を歴史に適用した独断的な主張にすぎないことが明らかになったのです。しかし「統一史観」は神学的立場にありながらも、立派に歴史法則を定立しており、社会科学の領域においても扱うことができる歴史観となっています。