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第八章 歴史論 : 三 復帰の法則 : (六) 縦の横的展開の法則 |
これは復帰歴史の終末期において、縦的な歴史的事件を横的に再び展開させるという法則です。縦とは時間の流れをいい、横とは空間的広がりをいいます。すなわち縦は歴史であり、横は現実世界を意味します。したがって縦の横的展開とは、歴史上のすべての摂理的な事件と人物を終末時に世界中に再現させて摂理するということなのです。そうすることによって神様は、歴史上の摂理的人物たちの失敗によって、その時ごとに未解決に終わった様々な歴史的事件を、終末において一時にみ旨にかなうように成し遂げて復帰摂理歴史を完結させようとされたのです。
例えばアダムからアブラハムまでの二千年間の復帰摂理において、サタンに侵入された縦的な蕩減条件を、アブラハムとイサクとヤコブは三代でもって蕩減復帰しました。しかしそれは条件的なものでした。すなわちアダム家庭の摂理とノア家庭の摂理は、共に未解決で失敗に終わったのですが、アブラハム家庭において、いったん条件的なままで摂理がなされたのです。またイエス様の時には、神様はアダムからイエス様までの四千年間の歴史において、サタンの侵入によって失敗に終わった、いろいろな摂理的事件を横的に展開して、それらを一気に蕩減復帰しようとされたのです。しかしイエス様が十字架にかかることによってなされなかったのです。
そして再臨の摂理が行われる時には、アダム以後再臨主までの六千年間の歴史において、サタンに侵入されて、条件的に解決しただけのすべての事件を再び横的に展開して、それらを再臨主を中心にして、総体的に、根本的に蕩減復帰し、罪悪歴史の摂理を完結させるのです。歴史上の事件が未解決のまま残されている限り、地上の真の平和は実現しえません。歴史上のこれらのすべての事件を、終わりの日に根本的に解決することによってのみ、現実社会の問題も完全に解決されるようになり、そこに初めて真の平和の世界が実現するようになるのです。
例えば今日のイスラエルとアラブ諸国の対立は、たとえ今日の問題であるとしても、根源をたどってゆけば、旧約時代におけるイスラエル民族と周辺民族の闘いが、今日、再現された性格の闘いであることが分かります。したがって今日のイスラエルとアラブの対立を単に政治的な問題として把握しただけでは解決は不可能なのです。すなわち歴史をさかのぼってその根本的な原因を見いだし、その原因を根本的に解決しなければ、イスラエルとアラブとの対立は終わらないのです。
そのように終末の時が来れば、縦的な歴史上の様々な事件が再現され、様々な予想しない事態が続発するようになり、そのため世界は大混乱に陥るようになります。縦の横的展開の法則によって、終末において、そのように世界が混乱に陥るようになるので、聖書は、このような状況を「大きな患難」と表現しながら、「その時には、世の初めから現在に至るまで、かつてなく今後もないような大きな患難が起きる」(マタイ14/21)というイエス様のみ言を伝えています。このような混乱は、人類が再臨主を迎えて、その方の真のみ言と真の愛の教えに従うことによってのみ、根本的に解決されるようになるのです。
神様がこのように歴史の諸事件を終末期に再現させて、それらが再臨主によって根本的に解決するように摂理されるのは、第一に、六千年の罪悪歴史において人間が過ちを犯さないで成し遂げてきたという勝利の条件を立てることによって、神様と人類の心から、歴史上の数多くの悲惨な事件の記憶を永遠に払拭されるためであり、第二に、サタンの讒訴条件を一掃してサタンまでも永遠に救うためなのです。