第八章 歴史論 : 三 復帰の法則 : (一) 蕩減の法則

 堕落とは、人間が本来の位置と状態を失ったことをいいます。そして復帰とは、その失った本来の位置と状態を回復することをいいます。しかるに本来の位置と状態を回復するためには、一定の条件を立てなければなりません。そのような復帰のために立てる条件を蕩減条件といいます。
 人間が立てなければならない蕩減条件とは、第一に信仰基台であり、第二に実体基台です。信仰基台を立てるということは、神様が立てた指導者(中心人物)に出会い、その指導者を中心として一定の数理的蕩減期間を通じて、一定の条件物を立てることです。そして実体基台を立てるということは、神様が立てられた指導者を罪ある人々が愛し、信じて、従順に従うことなのです。
 しかしながら歴史を顧みるとき、罪悪社会の人々は神様が立てた指導者に対して従順ではなく、かえって彼らを迫害したのです。したがって義人や聖賢たちの歩む道は常に苦難の路程になったのです。しかし神様は、このような義人たちの苦難を祭物的な蕩減条件と見なして、罪悪世界の人々を屈伏せしめ、神様の側に復帰してこられたのです。すなわち義人たちの苦難を条件として、神様は罪人たちを悔い改めさせたのです。これが蕩減の法則です。その典型的な例がイエス様の十字架でした。イエス様の十字架を信じることによって、多くの罪悪世界の人々は自分たちの罪を自覚し、悔い改めたのです。
 今日まで共産主義者は数多くの宗教人、義人、善良な人々を迫害し、殺害してきました。神様は彼らの受難を条件として、ついには共産主義政権を屈伏せしめ、共産世界の人々を解放するように導かれたのです。したがって蕩減の法則から見て、共産主義の滅亡は必然的だったのです。