第4章 愛を中心とした人生行路 : 二 愛を中心とした創造本然の人生 :

 人間というものが存在するようになった原因は何でしょうか。人間は愛から始まったのです。それでは、人間存在の目的はどこにあると考えますか。人間という存在の目的は愛の理想を完成することです。人間が愛を原因として存在するようになったので、愛の基台を成して、拡張させ、連結して完成することが目的となるのです。
 すなわち、出発が愛なので、目的も愛をもって到達しなければならないというのです。そうしながら、相対関係にある男性と女性が愛を中心として一つになり、前後・左右・上下に連結させることができなければなりません。
 私たちがいくら絶対的な存在を確定し、いくら絶対的な目的を確立したとしても、そこでうれしくなければ何の役にも立ちません。生きて生活するのがうれしくなければなりません。生活するのは目的のためにするのです。その目的を成就したとき、そこには存在、それ自体以上の新しい何かがあることでしょう。それは何でしょうか。

 男性なら男性、女性なら女性を中心として見るときに、彼らに何よりも最も貴いものは何でしょうか。愛です。愛だけがこれと連結させることのできる幸福の要因となるのです。人が目的をいくらよく立てたとしても、その目的を主管すべき主体的な愛の権威を立てられないようになるときには、再び新しい目的を追求しなければなりません。目的の限界点が愛より上にはなり得ないのです。
 皆さんは何ゆえに生きていますか。食べるためにと答える人もいるでしょうし、あるいは仕事をするために、または何の目的もない生を生きているという人もいるでしょう。人間は何のために生きるのでしょうか。愛のために生きるというなら、どれほどすてきな答えかというのです。
 人間は愛の結実として生まれ、愛し合いながら生き、永遠なる愛の神様の懐に帰るようになっているのが、創造本然の生なのです。

 愛によって生まれ、愛の中で成長し、さらに異なる次元の愛に連結されるのは、父母の愛を離れ、相対の愛を求めていくことなのです。父母の愛は蘇生的愛ということが、夫婦の愛は長成的愛ということができます。夫婦同士がいくら愛し合っても、子女がいなければ愛の完成を見ることはできません。それゆえ、子女を願うのです。これが完成的愛です。ですから父母の愛、夫婦の愛、子女の愛を経る過程が生涯の根本であり、神様の創造的愛の理想の根本の道です。

 生命は愛から生まれます。愛から生まれ、父母から愛を受け、愛によって成長して、愛する妻に出会ってまた愛し合い、その愛の中に死んでいきますが、これが人生だというのです。ですから、悲しみと苦痛があり得ないのが本来の人生だというのです。
 本来の宇宙の根本位置は、愛を中心として総合的に縦横に同時に結合することのできる基準となることによって、父母の愛と夫婦の愛、子女の愛が結合することのできる根本位置となります。その位置は全宇宙が集中する位置となり、全宇宙細胞の方向が集中する位置となります。霊界のすべての善霊たちがここに集中します。
 それだけでなく、この位置を誰も侵犯できないよう、保護するようになっているというのです。ですから、この位置が破壊されるなら、大変なことが起こるようになります。ですから、完全に保護されるためにはある形態が必要なのですが、その形態を統一教会の用語で四位基台というのです。