第11章 家庭は永遠の幸福の土台 : 一 家庭はなぜいいのか :

 家庭はなぜいいのですか。家庭では、愛を互いに授けて受けることが自然にできる基盤になっており、栄えることができるからです。それゆえ、人は自分の故郷がなつかしく、父母と兄弟がいる所を恋しがるのです。

 家庭はいい所です。なぜいいのでしょうか。お母さんとお父さんがいていい所であり、お姉さんとお兄さんがいていい所であり、弟と妹がいていい所であり、親戚がいていい所です。ですから人間なら誰でも本郷の地、故郷に対してなつかしい郷愁の心情をもっているのです。国よりも故郷をもっと考えます。大韓民国に住みながらも懐かしい所は故郷です。

 皆さん! 家庭がなぜいいのですか。それは父母の愛を中心として自由運動の価値になるからです。同じように神様が自由に活動できなければなりません。どんなに見た目にはみすぼらしくても、光る愛の核をもった内的な人間が成し遂げた社会になれば、神様は自由です。皆さん、そうではありませんか。どの家でもお客様として行けばお金持ちのようでしょう。なぜそうですか。それは愛の因縁がないからです。愛の因縁が四方性を備えられないので、ぎこちないのです。ですから、私たちが行くべき道は人格の道です。
 一つの家庭を中心として、一番いいものは何かというとき、一番いいものは皆さん自身で決定することはできないのです。それでは、家庭の最上の価値は何でしょうか。父母です。皆さん一個人を見ても、皆さんにとってあらゆる権力や知識、または名誉やお金が貴重なものになるかもしれませんが、そのあらゆるものよりも、もっと大切なものは「父母」以外にはないのです。次には、皆さんの妻や夫になるでしょうし、また次には皆さんの子女になるでしょう。
 事実、皆さんの家庭で皆さんの父母や妻、そして子女たちよりもさらに大切にしているものがありますか。ないのです。では、なぜ父母がいいのでしょうか。そして、また夫と妻、そして子女がなぜいいものになるのでしょうか。「愛」があるからです。父母の愛、これは子供にとって絶対に必要なものです。そして兄弟間の友愛などや、子女が父母に対してもつ真心も一つの家庭に絶対的に必要なのです。

 皆さん、家で一番いい人は誰ですか。父母でしょう? なぜ父母が一番いいのですか。愛を中心として、一生涯関係を結ぶことのできる最も近い立場にいるからです。その次は、愛する夫と妻になるでしょう。その夫と妻の愛は、ある条件的な愛ではなく無条件的な愛、この愛は、たとえ絶対的に天が下さった永遠の愛と密接な関係ではなくとも、夫婦間の相対的関係から結ばれる愛になるならば、その愛がその家庭に幸福と和睦をもってくる最も、よいものではないだろうかとみるのです。
 その次は、父母に対する子女の愛、父母のための子供の愛です。絶望ではなく、あすの望みとして芽生えることのできる理想的な環境を慕いながら、肯定的な姿勢で子供が父母のために犠牲になり、愛することができるなら、その子供の愛は、その家庭の幸福のための純粋で真実な価値としての愛となるでしょう。
 このように父母の真の愛と夫婦の真の愛、そして子女の真の愛が完璧に具備された家庭があるなら、その家庭は私たち人間世界の中で、最も理想的な家庭だと言わざるを得ないでしょう。