第10章 復帰すべき人類の真の家庭 : 二 サタンの所有物になったアダム家庭 :

 アダムとエバが堕落することによって、神様は彼らを真の人類の祖先として、人類の父母として、ご自身の息子・娘として対することができなくなってしまいました。アダムとエバは神様の前に掛け替えのない息子・娘であったにもかかわらず、神様が息子・娘として対することのできない位置に立ってしまったのです。神様はまた、アダムとエバが成人したのちには夫婦として祝福し、慰労の対象にしようとされました。ところが彼らは、息子・娘としての慰労の対象になれないのはもちろん、新郎・新婦としても慰労の対象になれませんでした。
 神様の願われた所願が大きいゆえに、彼らに無限なる価値を賦与し、眺められたのですが、彼らが堕落することによって、神様は彼らから、子女として慰労してくれる心情を感じられず、新郎・新婦として、すなわち夫婦として慰労してくれる心情を感じられなかったのです。神様はアダムとエバが未来に希望ある祖先として、すべての人類の前に一つの王として、神様の前に忠孝の道理を立てる立場に立つことを願われたのです。しかしながらこのような願いをもつ神様の前に、彼らは慰労の対象となることができなかった事実を、皆さんは知らなければなりません。

 堕落はどこから始まったのですか。家庭で堕落したというのは何をしたのですか。善悪の実を取って食べたのですか。家庭的に堕落するというのは愛以外にありません。善悪の実を取って食べて堕落しますか。善悪の実を取って食べて原罪が生じますか。父親が善悪の実を取って食べたことが罪だというのですが、何千代何万代後孫が罪人になる善悪の実とは何なのでしょうか。これは血統的関係です。血統的に罪の根を植えておけば、遺伝の法則によって永遠に続くのです。そうであり得るのは愛の問題だけです。過った愛が堕落の原因です。
 不倫な淫行関係によってエバは天使長と一つになり、アダムもまた、天使長と一つになったエバと一つになることによって、アダムとエバは結局神様を中心にしたのではなく天使長を中心にした夫婦関係を結び、家庭を築くようになったので、アダムとエバの後孫であるすべての人間はサタンの血を受け継ぐようになったのです。
 したがって、本来のアダムとエバの息子は神様の長子、次子にならなければならなかったにもかかわらず、エバが不倫な情で天使長と関係を結んだため、神様の息子である長子と次子はサタンの所有物になってしまったのです。
 本来、創造理想の中では愛は所有を決定するようになります。愛の関係を結べば、その愛を中心に主体と対象は必ず互いの所有権をもち合うようになるのが原理です。したがって、この原理的な基準でよく見るとき、エバが天使と不倫なる愛の因縁によって堕落するようになったので、エバの後孫として生まれる人間の所有権は天使長であるサタンにあるようになったのであり、サタンはその所有権を堂々と主張できるようになったのです。
 アダムとエバが堕落することによって神様の創造理想は成就されず、むしろ堕落した父母になったことによって、原罪のある子女を繁殖するようになりました。そして堕落したアダムとエバの家庭を中心にして氏族、民族、国家、世界へと発展してきたのが人類歴史なのです。それゆえに堕落以後今日まで、神様の本然のみ旨を完成した立場に立った真の父母の理想が残されてきたのです。そして真の父母を中心とした真の家庭と真の氏族、民族、国家、世界は今でも理想として残っているのです。