第7章 真なる夫婦の愛 : 一 創造本然の夫婦関係 :

 神様はプラスとマイナスの二性性相であられます。これをプラスに分立させたのが男性のアダムであり、マイナスに分立させたのが女性のエバです。一男と一女は、無形であられる神様の実体対象として現れた息子・娘です。男性はプラス(+)の性稟を、女性はマイナス(−)の性稟を代表した実体対象です。
 創造理念は、両性の中和体としておられる神様の性相を二性に分立し、再び神様の本性相に似た姿に合性一体化するものです。一人の男性と一人の女性は、おのおの神様の一性に似て現れました。したがって、彼ら一男一女の結合は、神様のプラス(+)の性稟とマイナス(−)の性稟が一つになることです。すなわち、神様に似た中和体となるのです。それゆえ、人間の二人、すなわち夫婦は神様の全体を代表する結合体です。
 男性は神様のプラス(+)の性稟を代表することによって真の父の分身となり、女性は神様のマイナス(−)の性稟を代表することによって真の母の分身となるのです。彼らはおのおの神様の身代わりでもあります。夫婦が愛で一つになることは、天宙を抱くことと同じです。これは宇宙的な出会いです。
 夫は多くの男性を代表して現れた存在なので、夫であると同時にお父さんの身代わりでありお兄さんの身代わりであって、妻は多くの女性を代表した存在なので、夫人であると同時にまたお母さんを身代わりし、同時にお姉さんを身代わりしているので、互いに愛し合い尊重しないようにしようとしても、せざるを得ないのです。
 男性は神様の陽性的形状であり、女性は神様の陰性的形状です。夫婦は天下を一枚のふろしきに包んだのと同じです。ゆえに夫婦は、神様の理想的な愛の心情を感じることができます。男性は天を象徴し、女性は地を象徴します。二人が一つとなって調和を成し、平衡線を成さなければなりません。

 夫婦というのは自分一人に限った夫婦ではありません。天地を代表した夫婦だということを知らなければなりません。男性と女性の愛の完成が宇宙の完成です。この愛が壊れる日には宇宙の秩序が破壊され、縦的な世界がすべて台無しになります。男性と女性が互いに好きで抱擁すること自体が、宇宙が一体を成す場となります。神様の理想の中で成される創造本然の姿がそうなのです。
 人間が男性と女性として生まれたのは愛のためです。愛は夫婦となって一つとなることにより、実を結ぶことができます。男性と女性は神様の愛が二性性相によって分立した実体なので、分立した実体が合性一体化するために、神様の愛を尋ねていかなければなりません。
 神様の愛に出会おうとするなら、男性と女性が愛で一つとならなければなりません。男性と女性が一つにならなくては、神様の愛に出会うことはできません。神様に愛に出会うことによって、私たちは神様の同位圏にとどまるようになるのです。
 同位圏とは、神様の横に立つことのできる位置をいいます。夫婦が完全に神様の愛を中心として一つとなるようになれば、その夫婦は神様の位置まで出ていくことができるということを知らなければなりません。神様の位置に上がっていくことができるだけでなく、神様がもっているすべてのものが自分の所有圏内に入ってくるようになるのです。愛の力はこのように驚くべきものです。
 神様が皆さんに同参的権威を許されると同時に、皆さんは神様がもっておられる所有権全体を伝授されるようになるのです。アダムの願いは天宙を治めることでした。アダムが愛した夫婦の価値は、世界の中心的価値を代表したものです。堕落しないで神様が立てる本然の人、すなわち本然の男性と女性を中心としたその愛はどのくらい貴い価値があるのかをはっきりと知らなければなりません。