第1章 創造本然の真の家庭 : 四 アダムとエバを創造なさった目的 :

 私たちが旧約聖書創世記第1章27節を見ると、神の形どおりに人間をつくり、一男一女をつくられたという聖句があります。
 そこから帰納的に推理すると、神様は一人の男性と一人の女性を合わせたお方であるとの結論が出るのです。
 そういう神様が一人でいてはいけないので、対象を必要としてこの世界を創造せざるを得なかったのです。そういうわけでつくられたのが、一人の男性であり一人の女性なのです。

 神様は第一に、体をもつためにアダムとエバを創造され、第二に愛を完成するためにアダムとエバを創造されたのです。このようなアダムとエバが完成し、二人が一つになることのできる愛の実体となれば、神様が臨在し、彼らは人類の完全な愛の父母となるのです。そして神様の形象的実体の父母になったアダムとエバが、実体の子女を繁殖することによって、理想世界が成就されるのです。そうなれば人間を通して霊界と地上世界が連結されるので、霊界と地上世界を連結させることを目的として人間をつくられたのです。
 そういうわけで、神様が愛を中心にしてアダムとエバに臨在されることによって、神様は人類の真の父母、実体の父母として存在されるのです。そしてアダムとエバが霊界に行けば霊界でもアダムとエバの形状をもって父母の位置に顕現することができるのです。ところがアダムとエバが堕落することによってこれが成されなかったという事実を皆さん方が理解してくださるようにお願いします。

 神様は見えません。その無形の神様が実体相をもつためにアダムとエバを創造されたのです。心の中に神様を抱いているアダムとエバが完成し、結婚して子女を生めば、神様は内的な父になり、アダムは外的な父となるのです。そうなればアダムか神様に完全に似るようになります。
 神様に似たアダムとエバが人類の父と母になれば、その姿を通して、いつも神様がおられることが歴史を通して認知されたことでしょう。

 神様が男性と女性をつくられた目的は、二人が愛し合い一つになるようにするためでした。アダムはアダムのために、エバはエバのためにつくられたのではありません。アダムはエバのために、エバはアダムのためにつくられたのです。また神様ご自身の愛と喜びのために、アダムとエバをつくられたのです。神様がアダムとエバをつくられたのは知識、権力、お金のためではありません。全知全能なる神様は知識、お金、権力が必要だったのではなく、ただ愛が必要だったのです。

 神様がアダムとエバをつくったのは知識を与えるためでもなく、権力を与えるためでもなく、多くの財物を与えてよい生活ができるようにするためでもありません。彼らを創造した目的は愛の実体として立てるためだったのです。