第1章 地上と霊界での人間の存在 : 第三節 肉身生活の重要性 : 2. 肉身生活の重要性

 自分が解放されれば、神様が解放されます。家庭が解放されれば、天国の家庭がそうなり、この地上がそうなら、天の国がそうなるというのです。それゆえ、聖書に「あなたが地上でつなぐことは、天でもつながれ、あなたが地上で解くことは天でも解かれる」(マタイ16/19)とあるのです。このような二重構造の一体性で、解明されます。
 皆さんは、肉身を身につけたこの期間が、どれほど貴いかを知らなければなりません。神様をも復活させることができ、宇宙をも復活させることができ、すべての天下を統一させることができるのは、肉身を身につけているこの期間しかありません。
 神様と万物を合わせても、この肉身生活と取り替えることができません。神様とこの宇宙を合わせても、肉身をもった人間がいなければ完成されないからです。人間の体がどれほど貴いかを知るべきです。私たちの肉身は、宇宙を与えても取り替えることができません。聖書にある「たとい人が全世界をもうけても、自分の命を損したら、なんの得になろうか」(マタイ16/26)という言葉も、それで成立するのです。

 肉身生活は、80年ほどしかありません。80年ほどのこの短い生涯路程において、歴史的に絡んだすべてのものを収拾しなければなりません。
 この短い肉身生活に因縁を結ぶべき善なる圏が膨大だということを知る心、良心は、どれほどせきたてるでしょうか。それは死ねばできないのです。生きている間に本郷の地を訪ねてこそ、祖国の主権回復をしなければなりません。そのようにして、天の主権者に侍り、その国で生きていってこそ、天上天国に行くことができるのです。

 霊界、無限の世界は永遠です。そのような世界に行くためには、自分自体をどのように収拾すべきでしょうか。肉身生活をする間に収拾しなければなりません。これを正すことができるのは、この時しかないのです。絶対に自分のために生きては正す方法がありません。

 み旨とは何でしょうか。結局、人間の霊肉を完成させることです。自分自身を中心として、過去は霊的であり、現在は肉的だというのです。この二つの世界が侵犯を受けました。現在の立場がサタン世界なので、サタン世界に勝った肉にならなければならないし、過去のサタン世界に勝った霊的基盤を築かなければならないのです。過去と現在に勝利すれば、霊肉をもつことのできる基準ができ、未来に対する祝福が生まれるのです。

 私たちが知るべきことは、霊界が主体ではなく、肉界が主体だということです。完成させるには、霊界が主体ではなく、肉界が主体です。肉界の完成は、霊界と肉界の完成です。ですから、肉身生活が貴いというのです。

 皆さんは、霊界に行って、保護官生活をしなければなりません。何千年も待たなければならないのです。
 皆さん祝福家庭の水準がみな違います。ですから、(霊界に)行く場合にも、自分の級に合うところに行って長い間とどまるのです。そうなれば、皆さんの先祖たちが、息子・娘たちが、「なぜそうしたの? なぜ、そのようにうまくできなかったの? どうなってるの?」と言いながら讒訴します。皆さんは、そこに該当するほどの長い時間、そこにとどまらなければなりません。それほど易しいことではありません。ですから、地上でしなければならないというのです。先生がやりなさいということは、みなしなければなりません。
 この地上にいる生活がどれほど重要でしょうか。一度しかありません。地上生活を霊界生活に比較すれば、これは一点に過ぎません。あまりにも短い瞬間です。ですから、肉身生活を越えていく霊界のために準備をしなければならないのです。
 いつもそのような主流思想をもって中心に立ち、一切を調節して、一切を征服することができなければなりません。そうでなければ、個性完成を成すことができません。