第4章 天国 : 第一節 天国に対する理解 : 7. 地上天国と天上天国

 個人が安息しようとすれば家庭の安息圏をつくらなければなりません。言い換えれば、家庭の囲いをつくらなければなりません。囲いがなければいつも進入されます。氏族が安息しようとすれば、民族が囲いにならなければなりません。民族が安息しようとすれば国家が囲いにならなければなりません。ですから国家の囲い、世界の囲いをつくってこそ、その中で安息できる日が来ます。この世界が安息しようとすれば、霊界と肉界を統一させて囲いをつくらなければなりません。そうした後で初めて、神様の愛が地上の全世界どこにでも及ぶことができる地上の天国が完成し、天上天国が自動的に完成されるのです。

 私たちが住みたいところは天の国です。天の国には境界線がありません。天の国では二つの言葉を使いません。人種の差別がありません。人はすべて神様の懐から生まれたのでみなが兄弟です。神様を中心として見れば神様の息子・娘なのでみなが兄弟で、地上天国を中心として見ればみなが民です。地上天国の民だというのです。国を形成するには三つの要素が必要です。国を形成するには主権と国民(民)、それから国土がなければなりません。
 そうだとすれば、この世界は神様が統治する世界だということができません。全地球星が神様の国になれず、世界の民が一つの国の民になれません。私たちは天国について語りますが、天国はこのような条件が満たされた後に成立されるものです。これが成されていないので、いまだにカインとアベルが闘い続けており、私たちは安息することができないのです。私たちは復帰過程に生きたいのではなく、天国で生きたいのです。ですから私たちが天国をつくるということは、私たちが生きるところを準備しようということです。私たちが生きるところは、天国をつくり上げなければ形成されないというのです。これがつくれないと私たちの後孫は常に追われる民族になるでしょう。私たちはもっているすべての精誠を尽くして、このような重荷を残さない先祖にならなければなりません。

 天国に行くために罪を犯さなかった、神様の愛を直接受けることができる、イエス様を信じる必要がない、救世主が必要ないという息子・娘の資格をもつことのできる過程を通過しなければなりません。そのようにして生きた人が天国に行ってこそ神様の理想天国が成されるのです。
 イエス様は血族を通してそれを成すことができませんでした。ですからイエス様がもう一度来てこれを解怨成就しなければなりません。そうでなければ天国に入れません。天国を開く条件がどこにありますか。地にあります。それでイエス様は天国の鍵を地に残して行かれました。
 イエス様と十二弟子が家庭を成すことができなかったので、今日私たちの教会で祝福家庭を通して七十門徒、百二十門徒の家庭をもう一度探し立てなければならないのです。そうすれば天国が開かれます。

 さて再臨の日という時には、天国でない楽園と地獄の底に新しい理想圏をつくっていかなければなりません。地獄の底からカイン、アベルを捜して、新しい神様の家庭圏を形成するのです。新しい神様の氏族圏、新しい神様の民族圏、新しい神様の国家圏、新しい神様の世界圏を成して地上にいる人々を全部蕩減復帰しなければなりません。カイン、アベルを蕩減復帰してすべてのものを吸収、消化して統一された世界を地上に編成しなければ、天の国を成そうとされる神様の願いを解怨成就する道がありません。
 それでイエス様も「あなたが地上でつなぐことは、天でもつながれ、あなたが地で解くことは天でも解かれる」(マタイ16・19)と言いました。地上で天国を成すことができなければ天上世界に天国ができません。地の上に天の国の主権を立てずには霊界で善なる主権を回復することができないという、とてつもない秘密が内在されているのです。

 みなさんは天国に行こうと考えてはいけません。地の上に天の国を建設するという考えをもたなければなりません。天国人になろうとすれば、父の心は自分の心、私の心は父の心だと自信をもって主張することができるくらいに父と心情一体を成さなければなりません。そして地の上で父の心を代身して、主と先祖たちの心を代身しなければなりません。そうしてこそ歴史的なすべての問題を解決できるのです。