第1章 地上と霊界での人間の存在 : 第二節 人間の位格と生命の本質 : 4. 万物の霊長という意味

 万物の霊長とはどういう意味でしょうか。万物の霊長とは誰でしょうか。それは人であると言っていますが、万物の根本となった霊長は神様です。皆さんには、霊があるということが分かることでしょう? 人間には霊があります。人間は、その霊の中の長であるために、結局、神様と直結させて霊長だというのです。
 万物の霊長というものは、人間それ自体だけではなり得ません。人間も被造物であるのに、どうして万物の霊長になるかというのです。被造物とは、相対的な結果体です。被造物だけでは原因に通じることができないし、原因を占領することができないのです。被造物は、原因に占領されるようになっています。
 皆さんが結果的存在であることは間違いありません。霊長の長は、霊の中の中心であるという言葉です。これは、本来、神様と人間は一つの関係であるという言葉です。
 それゆえ、霊長は神様と通じるのです。しかし、人間が万物の霊長だといって、すべてが霊長ではありません。霊長になり得る人は別にいます。その霊長になり得るクラブに加入できる資格者は、少なくとも個人のために生きる人ではありません。全体のために生きる人です。神様はそのような人を中心として、その願いを成そうとされるのです。そうすれば、誰の天国になるのでしょうか。神様の天国ではなく、その人の天国になるのです。

 人は、どのようにすべきでしょうか。永生すべきです。悪なる世の中で、80年ほど生き、死ぬときは犬が死ぬのも人が死ぬのも違いがないと言うかもしれませんが、それは違います。人は霊物であるために違います。万物の霊長になり得るのは、年を取らない心のためにそうなるのです。万物はみな変わり得ます。純金も変わります。風化作用によって減少します。しかし、心だけはそうではありません。変わらないところにおいて、最高の権威をもっています。

 万物の霊長というのは、何を中心として霊長だというのでしょうか。お金を中心として、知識を中心として、権力を中心としていう言葉ではありません。そえrは、神様の最高の愛を中心としていうものです。