第3章 霊界 : 第三節 霊界の内容と状況 : 1. 堕落によって生じた霊界に対する無知

 私たちの体には、100兆に及ぶ細胞があります。先祖たちは死んで霊界に行きましたが、私たちの体の中の一部分には先祖たちが愛を受けた細胞が伝授されています。
 生命を中心としてつながった細胞が伝授されており、血のつながった細胞が伝授されて生きて動くのです。
 秋になって木の葉が落ち、新しい春が来れば新芽が出てきて、夏になれば青い園になるのと同様に、私たち人間も、自分の中にある数多くの先祖たちの血縁的因縁を経て出てきたのです。今は後孫的立場にいますが、自分自身の人生はその先祖たちを代表して生きるのです。先祖の真なる愛を中心として、先祖の生命力に従って、先祖の血筋を残すためなのです。
 ですから先祖を圧縮したのが、まさにおじいさん、おばあさんです。天の前に私たちの氏族の代表として、私たちの家庭の代表としてつながった方が、おじいさん、おばあさんです。
 お母さん、お父さんは何でしょうか。お母さん、お父さんは家庭の中心です。この世界のすべての家庭のお母さん、お父さんを代表しています。おじいさん、おばあさんが過去の時代なら、お母さん、お父さんは現在の時代です。息子・娘は何でしょうか。未来の永遠な神様の理想世界、天国と一体化され得る、天宙統一を完成させ得る後孫として、私たちの家庭の出発的存在として抱いているのが息子・娘です。ですから、過去の世界の代表者、現在の世界の代表者、未来の後孫を代表し得る代表者を抱いて、一つの所に圧縮させて結んでおいたのが家庭です。
 堕落しなかった家庭はそのような立場に立っているために、霊界と肉界にみな通じます。地上世界は父子の関係の愛を貴く考えますが、そういう愛をもって生きたなら、天上世界も神様を父母として侍り、息子・娘のような立場で暮らすことになります。