第1章 地上と霊界での人間の存在 : 第二節 人間の位格と生命の本質 : 2. 人間は霊界と肉界の媒介体

 本来、神様の創造過程を考えてみれば、神様は万物を造って、人間を造ったのです。そして、神様を中心としてすべてが始まったのです。人を造ったことによって、神様と人間と万物が平行的な立場で統一を見るのを願われました。これが神様の創造のみ旨です。神様がいて、この被造世界があり、その中に人がいます。このような中間的立場に立ったのが人間なので、人間は霊界と肉界を接触させられる媒介体なのです。

 人間には、心と体があり、心の上に霊があり、霊の上に神様がおられます。それゆえ人間は、神様と完全に一つになってこそ、完全な人になるのです。人は、たとえ小さな一つの個体であっても歴史全体に代わる存在であり、未来のすべての因縁に代わる存在なので、天宙的な価値をもっています。

 人間を見ると、心と体の二重構造になっています。男性もそうであり、女性もそうです。男性も女性も心の人(霊的人)と体の人(肉身)から成っています。ですから、男女をそれぞれ分けると4人になります。
 神様は、なぜこのように4人の人として造られたのでしょうか。また、この4人がどのようにして一つになるのでしょうか。神様の真の愛を中心としては、完全に一つになるのです。真の愛で、完全に一つになるのです。
 皆さんは、霊的人、すなわち霊人体があり、肉身があります。霊人体は私たちの目には見えませんが、存在するのです。
 では、霊人体と肉身がいつ一つになるのでしょうか。これが問題です。これは、音叉と同じです。音叉の一つを鳴らせば、他の側も振動数が同じになって共鳴するのと同じ道理で、神様の愛という作用が、私たちの心に来れば、自動的に体に反応するというのです。
 それゆえ、心と体を100パーセント共鳴させられる圏内に追い込むことができるのは、神様の知恵でもなく、能力でもなく、力でもなく、ただ愛だけです。
 皆さんの目や鼻のような肉的五官が、霊的な五官と合う一つの焦点、理想的標準点は何でしょうか。神様の力でもなく、知恵でもありません。愛がすべての焦点、標準点です。